太白ごま油を知っていますか?
一般的なごま油と違って、太白ごま油にはあまり馴染みのない方が多いのではないでしょうか。
筆者は、太白ごま油を愛してやみません!
毎日、口から、肌から、鼻から、頭皮から、太白ごま油を摂取しています。
太白ごま油と触れ合っている時間は、私にとって最高の癒しの時間です。
今回は、なぜそんなに太白ごま油を愛しているのか、何がそんなに良いのか、太白ごま油をおすすめする理由について語ります!
また、太白ごま油は、インド・スリランカ発祥の伝統医学、アーユルヴェーダと切っても切り離せない関係にあります。
アーユルヴェーダの古典書に記載されている太白ごま油の効果も併せてご紹介します!
太白ごま油とは
太白ごま油とは、ごまを生のまま搾って作られた油のこと。
私たちの生活に馴染みのある、普通のごま油は、焙煎したごまで作られています。そのため、色が茶色く、食欲をそそる香ばしい香りがしますよね。
それに対して、太白ごま油は、焙煎していない生のごまを使用して作られています。焙煎していないため、普通のごま油の、あの香ばしい香りはありません。味は、すっきりとしていてクセがなく、どのような料理にも使用できるのが特徴です。
太白ごま油は、スーパーのごま油のコーナーに並んでいます。
一つ気をつけてほしいのが、「純正ごま油」と間違えないこと!
見た目も名前も似ていますが、「太白ごま油」と「純正ごま油」は別物。
純正ごま油とは、いわゆる一般的な、焙煎したごまを使用して作られています。ごま油に大豆や菜種などの食用油をブレンドして作った「調合ごま油」と区別するために、ごま油100%のものを「純正ごま油」と呼んでいます。
本記事でおすすめするのは「純正ごま油」ではなく「太白ごま油」ですので、ご注意を!
太白ごま油の効果
一体太白ごま油の何がおすすめなのか。
それはずばり、太白ごま油には、健康と美容に嬉しい成分がたくさん含まれているから!
太白ごま油には、リグナン(ポリフェノールの一種)が含まれています。太白ごま油に含まれるリグナンにはセサモールやセサミノールがあり、これらは、抗炎症作用、抗酸化作用、酸化ストレス抑制などに有効です。
人体が錆びるのを止める作用を持っているため、アンチエイジングに良いといわれています。
リグナンは腸内細菌によって、女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きをもつ成分に変わります。つまり、骨を強く、肌をみずみずしくしてくれるのです。
また、リノール酸、オレイン酸から出来ており、スキンケアやマッサージで使用した際の肌への浸透率が高く、保湿力を高めてくれる働きがあります。
さらに、ビタミンEが含まれており、こちらも抗酸化を強める作用があります。
インドやスリランカのアーユルヴェーダ病院では、今でも、若返り、体力増進、皮膚や毛髪の質の向上、その他多くの病を癒すために、太白ごま油(と病気に合わせて薬草を調合したもの)を使用しています。
太白ごま油の使用方法
さて、太白ごま油には嬉しい効果が沢山あることがわかりました。
では、実際どのように使用すれば良いのでしょうか?
誰でも簡単にできる使用方法を5つご紹介します。
使用方法その1:食事
太白ごま油は、ほぼ無色透明で、香りもなく、クセのない味なので、どのような料理にも使用できます。
難しく考えず、普段使っている油と同じように使ってOK!
揚げ物や炒め物、ドレッシングやお菓子、パン作りまで、幅広く使えます。
使用方法その2:マッサージ
アーユルヴェーダでは、ごま油によるマッサージは、消化力アップ、発毛促進、皮膚や子宮の浄化、老化防止、知性の向上に効果的であると考えられており、入浴前に全身のマッサージをすることが勧められています。
アーユルヴェーダの古典医学書には次のように書かれています。
マッサージは皮膚に対して最も有益であるから、オイルマッサージを習慣とすべきである。常にオイルマッサージを行っている人は、身体に外傷や打撲を受けても重労働をしても決して大事には至らない。常にオイルマッサージを行うことにより優れた触覚の行き渡った身体になり、体力を得て容貌も優れ、老化が軽くなる。
チャラカ・サンヒター 総論5章
オイルマッサージによって身体は強靭になり皮膚は滑らかになりヴァータ性(※)の病気は鎮静し疲労や運動に耐えられるようになる。
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※ヴァータとは、アーユルヴェーダで「トリドーシャ」と呼ばれる3大要素(エネルギー)のうちの一つ。ヴァータが司る身体の部位は、耳と下腹部から下といわれており、ヴァータが不調になると、腸の不調、骨や神経系への不調、麻痺、めまい、皮膚疾患、難聴などが生じるとされています。
こちらの古典書、なんと数千年前に書かれたものと言われています。
インドやスリランカでは、そんなに昔から太白ごま油でのマッサージが習慣化されており、現代にも受け継がれているのです。
効果がなければ数千年の間に淘汰されてしまうと思うので、この長く伝承されてきた歴史こそが、太白ごま油が身体に良いことの証なのではないかと個人的には思っています。
毎日全身のマッサージをするのが理想ではありますが、忙しい毎日の中ではなかなか難しいですよね。
アーユルヴェーダでは、全身のマッサージができない場合、次の3箇所のマッサージを行うだけでも高い効果が得られると言われています。5分程度でも良いので、まずは次の3箇所のマッサージをしてみましょう。
1.頭皮
常にごま油を頭部に塗る人には頭痛は生じないし、禿頭にも白髪にもならず、脱毛することもない。頭蓋骨の力は、とりわけ強くなる。毛髪はその根がしっかりし長く黒くなる。感覚器官は適切に働き、顔の皮膚が輝くように綺麗になる。頭部にごま油を塗ることにより、安眠と快感を得るであろう。
チャラカ・サンヒター 総論5章
髪の分け目の頭皮が見えているところに指でごま油を塗ります。塗れたら、髪をかき分けて少しずつ分け目をずらしながら、同じように頭皮全体に塗布していきます。
全体に塗布できたら、指の腹で頭皮全体をマッサージ。自分の気持ち良い力加減で、爪を立てないようにマッサージしたら、シャンプーで洗い流します。
2.耳
習慣的に耳に油を注ぐことによりヴァータ性の耳病は起こらず、うなじと顎の症も起こらず、聴力が弱まったり無くなったりすることもない。
チャラカ・サンヒター 総論5章
耳には沢山のツボがあると言われているので、全体を優しくマッサージしましょう。
耳の周り、耳の中にオイルを塗って、軽く引っ張ってくるくると回してみたり、全体を揉んでみたり。
優しく、気持ち良いと感じる力加減で行いましょう。
3.足裏
足(足首から先)のオイルマッサージをすることにより、荒れ、足の硬直、カサカサ、疲れ、痺れはたちどころに収まる。両足は柔軟になり、足の力と強靭さが生じる。視力がよくなり、全身のヴァータが鎮静する。両足首より先にオイルマッサージを行うことによって、坐骨神経痛、足のひび割れ、脈管と腱の緊縮が起こらなくなる。
チャラカ・サンヒター 総論5章
耳と同じく、足にもたくさんのツボがあるのは皆さんご存知のとおり。
太白ごま油を足の裏に塗布し、土踏まずのあたりを強めにマッサージ。
手をグーにして、指の関節でゴリゴリと擦ってみたり、足の指をくるくる回してみたり。
かかとにも塗ることで、ひび割れやカサカサ防止にもなります。
オイルマッサージは床にオイルがつくとつるつる滑ってしまい危険なので、必ずタオルやヨガマットなどを引いて、その上で行うようにしましょう。
使用方法その3:クレンジング
オイルクレンジングとしても、太白ごま油は有能です。
使用方法はとても簡単。
1.ラメのアイシャドウなど、落ちにくいものは先にポイントリムーバーで落としておきます。
2.太白ごま油を顔全体に塗り、くるくると優しくマッサージ。
3.メイクや皮脂などの汚れが浮いてきたら、ティッシュなどで拭き取った後(※)、ぬるま湯で洗い流します。
4.追加の洗顔はしなくても良いですし、気になる方は、洗浄力が強すぎない洗顔フォームで洗顔してください。
※太白ごま油には市販のオイルクレンジングと違って、界面活性剤が入っていないため、そのまま水で洗い流すとぬるぬるして落ちません。必ずティッシュなどで拭き取ってから洗い流しましょう。
ネットやYou Tubeでは、赤みや乾燥肌、インナードライの改善に効いた、という口コミが多く見られます。まさかの、化粧品の大手口コミサイト、アットコスメにまで、太白ごま油についての口コミがたくさん寄せられているんです。
私自身、一番効果を感じているのはインナードライです。もともと、洗浄力の強いクレンジング剤の方が「落ちている!」という安心感・スッキリ感があって好きだったのですが、ずっと頬の乾燥とTゾーンの皮脂に悩んでいました。今思えば、肌に必要なものまで落としすぎてしまうことで、インナードライ状態になってしまっていたのだと思います。
太白ごま油でクレンジングをするようになってから、肌の保湿が保たれることで、インナードライによる乾燥&皮脂に悩まされることがなくなりました。
私と同じような悩みをお持ちの方は、是非一度太白ごま油クレンジングを試してみてほしいです!
使用方法その4:うがい
太白ごま油で、うがいをするんです。
油でうがい…?無理…。と思ったあなた、ちょっと待ってください!
私も初めて聞いたときは正直「気持ち悪そう…」と思っていましたが、やってみると意外とすっきり、あっさりしていて、気持ち悪くありません。
アーユルヴェーダの古典書には、オイルうがいの効能について、次のように書かれています。
油剤によるガンドウーシャ(口に含むこと)は、口腔内の味覚を向上させ、口臭や口腔内浮腫、顎の硬直を取り除き、口腔に新鮮な感覚を与える。歯を強め、食欲を増す。
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ごま油を口に含んでうがいをすることにより、顎の力、声の力、顔がふくよかになり、よい味の感覚を育て、味覚も増進する。そのような人には、喉の乾き、唇のひび割れは起こらないし、歯は弱くならず、歯茎は強くなる。ものを食べても歯が痛んだり浮いたりすることもなく、非常に硬いものでも噛むことができる。
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オイルうがいのやり方はとても簡単。
1.歯磨き、舌磨きのあとに、大さじ1杯の太白ごま油を口に含みます。
2.喉の奥でガラガラとするうがいではなく、口に含み、くちゅくちゅとうがいをします。
3.ティッシュや紙コップ、新聞紙などに口の中のオイルを吐き出し、ゴミ箱へ(※)。その後、水で数回口の中をすすぎます。
※オイルをそのまま排水溝に流すと固まってしまうので、必ずゴミ箱に捨てるようにしましょう。
うがいの時間は、15分ほどくちゅくちゅするのが良いと言われていますが、難しい場合は数分からでも大丈夫です。慣れてきたら、少しずつ時間を増やしてみてください。
太白ごま油には抗酸化作用、抗菌作用があるので、うがいをすることで、口の中の雑菌が少なくなり、歯槽膿漏予防になります。
長時間くちゅくちゅすることで顔の筋肉を使うことになるので、副次的に、ほうれい線予防にもなると言われています。
使用方法その5:経鼻法
経鼻法、つまり鼻の中にオイルを塗ることです。
指や綿棒で朝と夕、軽く鼻の中に太白ごま油を塗るだけ。
私は朝と夜のオイルうがいのときにセットで行っています。
すべての季節を通じ、常に朝夕、指に油をつけ鼻腔に塗布するがよい。しかし、油剤を強く吸い込んではいけない。この経鼻法は健康な人に使用すべきであり、強さと固着性を増す。
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経鼻法により疾病を抑制し、頭より上部に発生する病気を取り除き感覚器官を活発にし口腔に芳香を与える。顎、頭、腰、腕に力をつけ、顔のしわ、顔のしみそばかす、白髪、脱毛の可能性をなくす。
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アーユルヴェーダでは、鼻は脳の扉だと考えられています。(言われてみれば、鼻詰まりがあると頭がぼーっとしますよね。)
毎日鼻に太白ごま油を塗ることによって、花粉症の予防、頭痛軽減、視力改善などの効果があると考えられています。
経鼻法は、一時的に鼻水やくしゃみを誘発させることがあります。急性鼻炎の人や飲酒後には控えるようにしてください。
注意点
ここまで、太白ごま油の効果と使用方法について説明してきましたが、もちろん、体質によって合う、合わないがありますし、効果も人それぞれです。
古典書に書かれている効果が100%正しいとも限りません。
自分の身体に合うかどうかを確認するため、初めて使用するときは、二の腕などでパッチテストを行ってからにしましょう。
ごまアレルギーの方は絶対に使用しないでください。
まとめ
太白ごま油について、少しは魅力が伝わったでしょうか?
色々な使用方法があるので、興味のある方法から試してみて、少しずつ生活に取り入れてもらえると嬉しいです。
ご紹介した方法が絶対に正解だとか、全ての人に有効だと言うつもりはありません。
たとえば週末だけマッサージをするとか、数秒だけオイルうがいをしてみるとか、出来そうなところまでハードルを下げて全然良いと思っています。
あなたにはあなたにぴったりの使用方法があると思うので、ご自身の一番心地よい方法で、太白ごま油を使ってみてくださいね。
それが少しでも美容や健康、心の癒しに繋がれば嬉しいです。
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